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「あたし受付なんで社内の方も社外の方もみますけど、如月さんのことはあまり見てない気がします」
「あー、俺あんま会社来ないからね」
「え?そうなんですか?」
毎日受付にいるから如月さんを見れるかと思ってたのに全然姿が見えなくて残念に思ってたところだった。
「うちの会社野球チームあるの知ってる?」
「なんか聞きました。同期にも何人かいましたし」
「俺、選手なんだよね。だから多くて週3くらいしかシーズン中は会社に来ないかな」
「そうなんですね!?それなのに部長……?」
「いや、それよ。俺も断ったんだよ。オフしか仕事なんて出来ないようなもんだし。しかし断り切れなくて、早瀬の教育係も俺が担当になってるけど実質は同期がやってる」
あまりそれをよく思ってないのか渋い顔をしている。
「へぇー……でもよっぽど仕事できるんでしょうねね。同期はコピーしかさせてもらってないって言ってました」
本当にそうだと思う。
別の会社で社会人野球やってる同級生もみんなそんな重要な仕事を任さられる感じではなかった気がする。
「まぁ、半年はほぼ出社しないような人間に普通はそんな重要な仕事は与えないよな」
サンドウィッチを口に含んだあと、苦笑いしながら言う。
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