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「起きてる?」 「起きてるから電話出てるんだよ」 一晩寝て、だいぶスッキリした頭で星那からの電話に出る。 今思えば何も悪くない星那に対して、有り得ない態度をしていたのにこうして気にして電話をくれる星那はやっぱり良い人すぎる。 あんな態度を取ったあたしに怒ってもいいくらいなのに。 「昨日はごめんな」 「こっちのセリフだよ。星那は何も悪くないのに勝手に怒って」 「悪いだろ、俺が。智史とその彼女が別れることを応援してたことになるし……その相手と自分が付き合う事になるとは思ってなかったけど「は!?星那なんで……!?」 星那のセリフはどう聞いてもあたしと智史のことを知ってるような口ぶりで思わず言葉を遮ってしまう。 「いま愛來の家の前にいるんだけど出てこれる?」 「……うん、でもノーメイクだから少し待ってて欲しい」 「全然待つよ、車にいるから出てきたらノックして」 「……わかった」 星那はあえてなのかあたしの疑問には答えず、出てくるように告げた。 窓の外をみるとたしかに星那の車が停まってて、あたしに断られるかもしれないのに会いに来てくれんだなぁ……なんて思いながら鏡の前に座る。 「誰に聞いたんだろう……智史?でもそんなすぐ聞くようなタイミングくる?」 メイクをしながらも考えることはひとつで、ぐるぐると色んな可能性を浮かべるけどどれも違う気がする。
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