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「愛來がなんでこいつの名刺持ってんの?」 星那と付き合ってあっという間に半年。 智史の1件で1悶着あってからは2人で平和に過ごしてきてた気がする。 仕事も落ち着いてるし、練習もないからと久しぶりに2人でランチに出て、あたしのスマホからヒラっと落ちた紙を拾った瞬間表情が変わった気がした。 「受付でもらっただけだよ。取引先の人」 「牧野雷人ねぇ……連絡くださいって書いてんじゃん」 名刺の裏に確かに連絡先はかいてあったけど、まったく連絡する予定はない。 「貰えませんとは言ったんだけど、取引先の人だから無下には出来なくて」 「ふーん。じゃあ取引先の人に誘われたら絶対ついてくわけ?別に愛來は受付だしそんなことする必要ないだろ」 「そんなこと言ってないでしょ。それに受付だしってなに?なんか仕事下にみてない?」 星那の言い方が引っかかって多分そんなつもりはない、星那がイライラしてるから口から出ただけって分かってるのに止まれなかった。 「そんなつもりじゃないよ。ただ、取引先のひととやり取りするのは俺ら営業だし愛來はそこまでする必要ないって言いたいだけ」 「なんか営業サマって感じの言い方だよね。そんなに偉い?」 確かに営業がいないと仕事は成り立たないし、営業が大変な仕事ってことくらいわかってる。
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