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「愛來さんですか?」 柚月さんと温泉に入ろうと歩いていると後ろからこえをかけられる。 あれから柚月さんと智史は別れたらしい。 2人で「同じひとすきになっちゃったんですね」なんて話してからは結構色々話せるようになったきがする。 「あっ……」 振り向くとそこには莱久さんがいて「はい」とこたえると「やっぱり!雷人が写真見せてくれたの!」ってニコニコと笑ってる。 牧野さんがいつの間に写真を撮っていたのかはわからないけど、あたしはカフェで以前会っているから知ってた顔だけどあの時は莱久さんの眼中に入っていなかったのだろう。 「星那と付き合ってるんですよね?」 「はい」 質問の真意が分からないけど、隠しておく必要もないので、認めておく。 ただ莱久さんの「星那」という言い方がどうにも大切な人を呼ぶみたいでそれだけが嫌だった。 「星那のことが好きなんですか?」 「ちょ、さっきから聞いてたらこの人なんなの!?」 柚月さんがイライラした様子で叫ぶ。 「え?」 「好きだから付き合ってるに決まってるじゃん!ささっさと温泉行こう!愛來ちゃん!」 柚月さんがあたしの手を取って、足早にその場から去ろうとする。 「あたしの方が星那のこと好きなんだから」 「は?」 後ろから投げかけられた言葉には黙ってられなくて、つい反応してしまう。
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