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「あ、待って!」
休みの日にやっていた試合をみて、帰ろうとしたところ丁度ユニフォーム姿で出てきた如月さんに呼び止められる。
「お疲れ様です!ナイスピッチングでしたね!」
「来てくれてるの知らなかったから、マウンド上がって見えた時びっくりしたよ」
「スケジュール調べてみたらちょうど行ける感じだったんで」
「そっかー!いいピッチングできてよかったよ」
タオルで汗を拭いながらあたしに笑顔を見せてくれる。
「すみせん、写真いいですか?」
「あっ、はい。ちょっと待っててくれる?」
ファンらしき人に声かけられて、ひと言あたしに断りを入れてから彼女への対応をする。
何もしないのもヒマなので、ポケットからスマホをだして、朝検索してブックマークをしておいたこのチームのページを開く。
チラっと如月さんに目をやると5人くらいの人が列を作っていて、社会人野球にもファンがいるもんなんだなぁーと感心する。
「あれ、愛來ちゃん」
「青砥くん」
顔をあげると同期入社で野球部員の青砥くんが立っていた。
「試合観に来てたんだ?早瀬は?一緒じゃないの?」
「なんで休みの日まで早瀬と一緒に出かけなきゃなんないのよ」
「同期の中ではお前ら仲良いし付き合ってんじゃねぇ?ってはなしになってるけど」
「えー!ただ大学からずっと一緒なだけだよ」
同期の間でまさかそんな話題になってるとは思わず、びっくりしてしまう。
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