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「シャーロット!」  アーサー様の声が聞こえたと思った瞬間、ハウエル様は地面に転がっていた。 「遅くなってすまない。もう、大丈夫だ」  アーサー様に抱きしめられて、安心したら涙がぽろぽろ止まらなくなる。失神したハウエル様とイザベラは、お城の騎士に連れていかれた。イザベラがなにか叫んでいたけれど、私はアーサー様の腕の中で気を失ってしまった。  私が気絶してしまった後。  王城で騒ぎを起こしたイザベラは、特に厳しいとされる北の大地の修道院で一生を過ごすことが決まった。ハウエル様は、実家のバートン伯爵家から勘当され、貴族籍を抜かれ平民として炭鉱に強制労働に送られた。  アーサー様とレオン様の進言で、マローラ子爵家で作っていた回復薬は、私の作った回復薬にイザベラが細工し、性能が変わらないまま色だけ変えていたことが証明された。  他にもイザベラが私にしていた仕打ちが伝わった結果、イザベラは小説に出てくる悪役令嬢のようだと噂になり、マローラ子爵家の回復薬は、『悪役令嬢の回復薬』と呼ばれるようになったらしい。只でさえ魔物が減って回復薬の需要は下がってきていたのに、まったく売れなくなったという。  マローラ子爵家は貴族社会で爪弾きにされ、お父様とお継母様は喧嘩が絶えないらしい。お父様から私宛てに支援を求める手紙が届いているらしいが、私の手に届く前にアーサー様が燃やしてしまっているので詳しくはわからない。
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