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 カラスになって一年が過ぎた。相変わらず村のみんなは誰一人帰って来ていない。都会の生活が気に入ったのか。或いは野垂れ死んでしまったか。真相は定かではない。  長慈はこのところ、ずっと自室に引きこもっている。まるで籠の中の鳥。会話らしい会話もほとんどしていない。  しかしこの日は、様子が違った。 「ガァーッ! ガァーッ!」 「どうした長慈。朝から騒いだりして」 「ガァーッ! ガァーッ!」 「カラスの真似なんかしてないでちゃんと喋るんだ」 「ガァァーーッ!」 「ち、長慈? ふざけるのも大概に……」  が、僕の声は届かず長慈は障子を突き破り、空の彼方へ飛び去っていった。  どうしたというんだ。近頃めっきり無口になったと思ったら急に騒いで。  その時だった。僕の目は眩い光に襲われた。  いつもより太陽が眩しい。目を開けてられないほどに。しかし周囲の景色は薄暗いまま。まるで僕の周囲だけにスポットライトが当たっているようだ。  すると僕の身体に異変が起こる。脚と脚の間から、もう一本の脚が生えてきたのだ。  三本脚のカラス……。聞いたことがある。確かやたーー
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