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……う、ん。
息苦しい。やけに布団が重い。
僕は光が射す方を目指し、何とか布団のトンネルから這い出た。そしてすぐに違和感を覚えた。
身体が妙に軽い。更には部屋がいつもより広く感じる。明らかに何かがおかしい。まずは眼鏡をかけなくては。
が、何故か枕元に置いてある眼鏡をうまく掴めない。
それもそのはず。僕の手に、五指がない。
代わりに生えていたのは、黒い翼。
足は小枝のように細く、先端には四本に別れた鉤爪が。
そして本来口がある場所には何やら硬い物がくっついている。
その特徴を見て僕は認め難くもこう判断した。
鳥だ。僕は今、鳥になっているんだ。
それも色から察するに、カラスだろうか。
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