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付き合ったことはあるけれど、恋愛経験豊富とはいえない。 こんな風に自分の名前を呼ばれただけなのに、体温が向上したのは初めての経験だった。 『あの、呼び捨てで大丈夫ですから』 あの微笑みは心臓に悪い。 自分に好意があるのではないかと勘違いしそうになる。 もう、死んでもいいと思う程に嬉しくも感じる。 ルイ様は、きっと誰にでも優しい人 「ではサヤカ、顔を洗ったら食事にしよう」 そう言い終えると、ルイ様は隣の部屋へと立ち去る。 動揺する気持ちを落ちつかせようと、洗面所へと向かう。 とりあえず顔を洗おう。 あまり待たせてはいけないと思い、隣の部屋へと急いで向かった。 軽くノックをしてから扉を開けると、ルイ様は椅子に座っていた。 テーブルの上には、サンドイッチが置かれていた。 「サヤカ、そちらに座るといい」 促されるまま私は椅子に腰掛けた。 お皿の上に置かれたサンドイッチを改めて見る。 こちらの世界の食事は、驚くことに見慣れたものが多い。  味付けも自分好みだった。こちらに来てから逆に少し太ったかもしれない。 『ルイ様が作られたのですか?』
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