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「いや先程買ってきたものだ。」
『そうなのですね…いただきます』
いつの間に買い物に出かけたのだろう。
お世話になってばかりで申し訳ない。
『いただきます』
おいしい!
空腹だったこともあり、あっという間に完食してしまった。
黙々と食べることに集中していると、ふと視線を感じた。
気のせいかなと確認するために顔をあげると、ルイ様とばっちりと視線が交わる。
『す、すみません…』
恥ずかしくなりすぐに視線をそらした。
「なぜ謝る? サヤカもいただきますと言うのだな」
『え?』
「いただきます。というのは、異世界では食事の前に捧げる祈りの言葉だと聞いたことがある。
確か、食後は……ごちそうさまだったかな?
この国には、異世界から召喚された方の子孫も少なくない。
料理や言葉など、異世界に馴染みのあるものが定着している。」
『…』
無意識とは言え、迂闊だった。
異世界から来たことが、こんなにあっさりバレてしまうなんて……
誤魔化した方がいいのだろうか
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