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「サヤカのことを詮索するつもりはない。ただ、見覚えのある保護魔法がかかっていたので、術者に連絡は入れてある。
」
ルイ様は、特に気にしていない様子だ。
『保護魔法…?』
「知らなかったのか? 家族や大切なものにかける一般的な保護魔法だ。
その魔法がなければ、私の穴に落ちたときに絶命していただろう…
本当に申し訳ない」
ルイさまはそう言うと、私に向かって頭を深く下げられた。
保護魔法というものがかけられていたのに、あんなに酷い怪我を……?
あっさりと告げられた言葉に驚きを隠せない。
『い、いえ、私も足元を見ていなかったのでっ!
この通り、元気になりましたので』
それにしても、どんな穴だったのだろう。
きっと魔法かけてくれていたのは、師長様だ
「サヤカは優しいのだな」
黒曜石の瞳がほんのりと揺れた気がした。
優しいのはルイ様の方なのに。
あぁ、まただ……
妙に胸が騒がしい
この落ち着かない気持ちは━━
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