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普段なら誰かに任せるか、家からすぐに追い出していますでしょうに」
「伯父上、そのくらいで勘弁してください。手紙にも書きましたが、サヤカ殿をしばらくお預かりしてもよいでしょうか」
「え?」
初めて聞かされた手紙の内容だ。
自分の予期せぬ方向に話が進んでいることに戸惑う。
「その件については、陛下にも許可をいただいておる。じゃがサヤカ様はどうされたいですか?」
『……その……預かるというのはどういうことでしょうか?』
「サヤカ様、難しく考えることはありません。
聖女様不在のいま、お城に籠っていても窮屈でしょう?
ルイ殿がついていてくださるなら安心じゃ。
サヤカ様のご事情も、ルイ殿はご存知じゃ。
こちらの都合に巻き込んでしまい申し訳ない。サヤカ様の希望をお聞きしたい」
師長様は私の気持ちを優先に考えてくれる。
『私は、今まで、日々何となく過ごしてきました。
こちらに召喚されてからも。
考えることを放棄していました。
できれば、勉強がしたいです。
この国のことも知りたいし、これからのことも考えられるように。
』
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