8

1/4

36人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ

8

「サヤカ、途中邪魔が入ったが、私は本気だ。無理強いするつもりはない。だが手放すつもりもない。いきなり私と暮らすのも不安だろう。ひとまず姉の元に行ってもよいだろうか」 『は、はい』 これからルイ様と一緒に暮らすということ…? 目まぐるしく変化する状況に混乱するばかりだ。 そんな動揺する私をルイ様は気遣ってくれる。 こんなに真っ直ぐな好意を向けられたことは初めてかもしれない。 それに、同棲? ということになるんだろうか…… どちらかというと居候になるのかな。 きっとそう、これは単なる居候だ。 期待して傷つくのは嫌。 どう考えても私では釣り合わない 「姉の元へは移動魔法で行こう」 「え?」 返答する間もなく早急にルイ様は私の腰に手を回す。 「えっと、ルイ様?」 何が起こるのか分からずに、ルイ様にされるがまま身を委ねる。 「少しだけ目を閉じてて」 そう耳元で囁かれて言われた通りに目を閉じた。 「もう大丈夫だ」 ゆっくりと目を開けると、私達は大きなお屋敷の入り口に佇んでいた。 『ここは…?』
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加