36人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
「私の家でもある。最近はこちらの邸には私は住んでいない。父は仕事でいないだろうが姉はいると思うのだが」
入口に突然現れた私達に驚くこともなく、使用人はルイ様の元へと近づいて来た。
「ルイ様おかえりなさいませ。」
「姉上はいるか?」
「アンナ様はお部屋にいらっしゃいます。」
「行こう」
ルイ様は私の腰に手を回したまま歩き出した。
手を離すタイミングがつかめなかったのかもしれないけれど。
「ここだ」
ある部屋の扉の前まで来ると、ルイ様はノックをする
「姉上、少しよろしいでしょうか」
「ダメと言ってもどうせ入ってくるんでしょ。どうぞ~」
ルイ様のお姉さんということは、貴族のご令嬢。
礼儀正しい振る舞いができるか不安ばかりが募る。
そんな私の不安を払拭するような、
明るい返答に拍子抜けする。
お姉さんは、気さくな方なのかもしれない。
それにしても腰に手を回されたこの状態のまま入るの…?
恥ずかしい……
「では失礼」
室内は白を基調とした家具が綺麗に配置されている。
広々とした素敵なお部屋だった。
お姉さんはどちらにいらっしゃるのかなと
室内を見回す。
最初のコメントを投稿しよう!