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「私の家でもある。最近はこちらの邸には私は住んでいない。父は仕事でいないだろうが姉はいると思うのだが」 入口に突然現れた私達に驚くこともなく、使用人はルイ様の元へと近づいて来た。 「ルイ様おかえりなさいませ。」 「姉上はいるか?」 「アンナ様はお部屋にいらっしゃいます。」 「行こう」 ルイ様は私の腰に手を回したまま歩き出した。 手を離すタイミングがつかめなかったのかもしれないけれど。 「ここだ」 ある部屋の扉の前まで来ると、ルイ様はノックをする 「姉上、少しよろしいでしょうか」 「ダメと言ってもどうせ入ってくるんでしょ。どうぞ~」 ルイ様のお姉さんということは、貴族のご令嬢。 礼儀正しい振る舞いができるか不安ばかりが募る。 そんな私の不安を払拭するような、 明るい返答に拍子抜けする。 お姉さんは、気さくな方なのかもしれない。 それにしても腰に手を回されたこの状態のまま入るの…? 恥ずかしい…… 「では失礼」 室内は白を基調とした家具が綺麗に配置されている。 広々とした素敵なお部屋だった。 お姉さんはどちらにいらっしゃるのかなと 室内を見回す。
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