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こわいこわいこわい……
ジェットコースターも大の苦手なのに、
こわすぎる……
どうして落ちてるの
どこまで落ちるの
あぁきっとスマホに夢中でホームから転落したんだ……
きっとその時に死んでしまったんだ
乙女ゲームに夢中で死ぬなんて恥ずかしすぎるっ。
ううん、もしかして本望なのかもしれない
小説の世界だったら、このままゲームの中に転生できるのに……
的外れなことを考えていると、突然手足に固いものが当たる。
間違いなく高い所から落ちていた気がしたのに、私はぺたんと地面に座り込んでいた。
「な……にが起こったの? 生きてる……」
どこかから落ちたはずなのに、身体のどこにも衝撃がない。
無意識に自分の両手を見た。
生きているのか夢を見ているのか分からない。
置かれた状況が飲み込めずに、恐る恐る周囲を見回す。
最初に目に飛び込んできたのは、
綺麗に磨き上げられた大理石の床。そして次に目に入ったのは、透き通る液体が入った豪華な盃。
盃は私を取り囲むように、等間隔に円形に並べられていた。
まるで何かの儀式が行われていたみたいに。
もしかして私……生け贄……?
サァと顔から血の気が引いた。
気がついたら見たことのない場所。
駅にいたはずなのに。
もしかして誘拐されたのかもしれない。
言いようのない恐怖と不安に襲われて、
ガタガタガタガタと怖くて足が震えてきた。
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