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「サヤカ、すまない」 笑いのツボに入ったお姉さんを残し、私達は早々に邸をでた。 とりあえず生活に必要な服など、街でルイ様に選んでもらうことになった。 お城からいただいたお小遣いはあるけれど、生活用品を購入するには心許ない。 いずれ働いて返しますと約束をして、ルイ様に購入していただいた ルイ様は返す必要はない、と言ってくれたのだけど。 何から何までお世話になるのは気が引ける。 この国で働いていけるのかな。 聖女様が帰ってこられるまでは、どこかで働き口を探さないといけない。 買い物を終えて、ルイ様と過ごした家へと転移で移動する。 魔法って便利だ。 本当に一瞬で別の場所へと移動できる。 ただその際にルイ様と密着することになるのが慣れないけど…… 「荷物はとりあえずこの辺りで。少し休もうか?」 ルイ様がお茶を淹れてくれる。 「サヤカ、先程は姉上がすまない。悪い方ではないのだが」 『とても明るいお姉さんですね』 正直、アンナ様とルイ様がうらやましいと思った。 私は一人っ子だし、両親は仕事でいつも留守だった。  まぁ、私もスマホばっか触ってて。
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