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あ、スマホというのは友達と連絡とったりすることもできて、ゲームとかするものです。
親と会話するよりも、スマホ見てる方が楽しくて。
傍にいるのが当たり前だと。
ほんとにひどい娘です。私って。
しかもこんな風に突然いなくなって……
きっと、両親は……あれ、私…』
思わず涙が溢れて視界がぼやける。
ルイ様は椅子から立ち上がると、私の傍に近づいてきて優しく頭をなでてくれた。
「気休めになるといいのだが」
こんな風に撫でられると安心する。
自立して大人になったつもりだったのに、精神はまだまだ子供だ。
こんなんじゃダメなのに。
「異世界から来た者が、こちらに定着すると、あちらの世界にいる者の記憶が修正されるらしい」
『修正?』
「あぁ。文献にはそう書かれている。
あちらの世界を覗ける力を持った者がいたのだろうな。」
ルイ様は知っている異世界に関する情報を、ゆっくりと説明してくれる。
『それは、つまり…私も忘れてしまうということですか?
家族のことや日本のことも?』
「いや。忘れることはないが、気持ちが軽くなるようだ。
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