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目を開けると白い天井が目に入る。
昨夜泣き疲れて寝てしまったんだ。
瞼が重い。
これはかなり腫れていると思う。
ゆっくりと起き上がると、洗面所へと向かう。
「うわっ……」
昨日あんなに泣いたから当然だ
自分でも思わず声が出るほどの酷い有り様だった。
「サヤカ、入ってもいいか?」
ルイ様の声がする
『えぇっと、ル、ルイ様き、今日はお会いできそうにないです』
「何かあったのか?」
『いえ、ちょっと目が腫れてて、恥ずかしいから…』
「なんだ、そういうことか。腫れなら治せる。着替えを済ませたらこちらに」
『分かりました…』
こんな状態を見られたくない。
とりあえず着替えをすますと、
意を決してルイ様の元へと向かうことにした。
せめて少しでも見られないように、両手で瞼を隠しながら挨拶をする。
『おはようございます。ルイ様。あの…』
そんな私の両手の上にルイ様は自分の手を重ねる。
「少しの間、目を閉じた方がいいい」
じんわりと瞼に暖かさを感じた。
「サヤカ、もう大丈夫だ」
目を開けて両手を外すと、目の前に微笑んだルイ様のお顔があり驚く。
「ひゃっ」
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