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私はルイ様の婚約者になった。 師長様へ報告するために、ルイ様と共にお城へと向かう。 「サヤカさま!」 城内を歩いていると、 パタパタと早足で駆け寄ってくる足音がした。 聞き覚えのある声がしたので振り向くと、案の定エレナさんだった。 「エレナさん!お久しぶりです。」 「本当にサヤカさまなのですね。お元気そうで安心しました。あ、失礼しました。」 エレナさんは、私の隣にルイ様がいることに気づくと頭を下げる。 「ルイ様、私がこちらの世界に来たばかりの時に、お世話になったエレナさんです。」 「そうか。サヤカが世話になったな。 サヤカはこちらの世界に知り合いが少ない。サヤカにとって、あなたの存在は救いだっただろう」 「そんなことありません。勿体ないお言葉を… 師長様のお部屋へご案内致します。どうぞこちらへ」 エレナさんの反応からして、ルイ様はただならぬ地位の方のようだ。  エレナさんともっと気軽に話したかったけれど、今は控えよう。 「こちらでしばらくお待ちください。師長さまはすぐに参ります」 部屋へ案内されて、エレナさんが退室する前に、扉が勢いよく開かれた。
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