38人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
扉へ視線を移すと、満面の笑みを浮かべて近づいて来る師長さまの姿があった。
「ルイ殿、サヤカ様、おめでとうございます!!
いやぁ、本当にめでたい!
これでサヤカさまに、やっと全てお話しすることができます。
いやぁ、これでやっと肩の荷がおりました」
『あ、ありがとうございます。』
師長様は、私の手を取り両手で上下にぶんぶんと激しく振る。
嬉しくて仕方ないという様子が窺える。
困惑して固まっていると、ルイ様が師長様の手を振り解き、私を引き寄せる。
師長様が向かいのソファーに腰掛けても、その体勢は変わることなかった。
私はルイ様に抱きしめられたまま、話を聞くはめになった。
恥ずかしくて、距離をとろうと試みたけれど、ルイ様はビクともしなかった。
仕方ないのでこのままの体勢で、師長さまのお話を伺うことにした。
恥ずかしくて頬が紅潮する
「サヤカ様、聖女様のお世話係を召喚することはお話ししましたが、お世話係の方にはもう一つ使命がありまして…
その使命と申しますのが、実は
この国の方と結婚することなのです。」
『結婚?どういうことですか』
最初のコメントを投稿しよう!