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聖女さまの話し相手ということではなかったのだろうか?
「実は、お世話係というのは名目で、本来のお願いはこちらのほうなのです。
この国の方と結婚し、子孫繁栄することで、この国と異世界の結びつきが強まり、聖女様を召喚しやすくなるのです。
ただし、こちらが強制した結婚ではダメなのです。」
『結婚?』
「はい、過去の文献を紐解きますと、心から慕う相手と結ばれることが望ましいとありました。
お互いに想い合う気持ちが強ければ強いほど、幸せを感じれば感じるほど、異世界との結びつきも比例すると。
ですので、サヤカ様には心の赴くままに自由に活動していただいたのです。
ちょうど、聖女さまが不在なのも功を奏しました。
サヤカさまには保護魔法を施しておりましたので、危険はないと思っていたのですが、お怪我をさせてしまっまことは、不徳の致すところです。
申し訳ない。
ルイ殿の魔力は強力ですからな…」
ルイ様は私の腰に回した手に力を込めて、密着した身体をさらに引き寄せると、耳元で謝罪を述べる
「あの時はすまなかった」
顔が近くて息遣いまで感じられて、なんだか妙な心地になる
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