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もしかして何かの宗教で、私を洗脳しようとしているのかもしれない。
すぐに信じやすい私は、詐欺などにあわないために決めていることがある。
勧誘、セールスその他諸々、とにかく
関わらない! その場で決めない!
これが鉄則。
曖昧な笑みを浮かべながら、私は目線で部屋の出口を確認した。
初老の男性の後ろには数名の騎士が控えている。
建物といい、服装といい随分と凝っている。
大きな宗教なのかもしれない。
隙を見て逃げるのは難しそうだ。
「我が国は定期的に異世界より聖女様をお迎えしております。
聖女様が我が国で不自由なく過ごせるように、聖女様と同じ異世界より、お世話係を召喚するように定められております。
あなた様には聖女様のお世話係として、聖女様を支えていただきたく存じます。
なに、難しいことではありません。専属の侍女もおります故、お世話係といっても、お話し相手になっていただければと」
初老の方は一息つくと話しを再開する。
「ですが、実は聖女様は魔物討伐の旅に出ておりまして……
いつ戻られるかも不明でして。
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