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あなた様には申し訳ないのですが、しばらくこの城に留まっていただきたいと」
初老の方はしきりに額の汗を拭いていた。
演技ではなく、本当に困惑しているようにみえた。
温厚な人に見えるけれど、言ってる事は意味不明だ。
要するに、ここに私を拘束すると言っているようなものだ。
どうしよう…
ここがどこなのかも分からないし、とりあえず大人しく従う方がいいのかもしれない。
逃げようとしたら拘束されて監禁されるかもしれない。
『あの……今は何も考えられないので、
少しお時間いただけますか?』
「えぇ、はいそれはもちろん!
あなた様もお疲れでしょうし」
「すぐにお部屋へご案内を」
「どうぞこちらへ」
「はい」
数名に取り囲まれるような形で、移動することになった。
騎士の姿を見ると帯剣しているので萎縮してしまう。
けれども予想に反して乱暴な扱いを受けることはなく、客室へと案内された。
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