9

11/13
前へ
/126ページ
次へ
「……あのさあ、なんで今、言うの」 「え?」 急に 横に曲がり 人気のない 路地裏へと入った柊二さんは 自分が着ていたスーツの ジャケットを徐に脱ぎ頭から私の上に被せ 「なにっ……!?」 そのまま 私の唇を 自分の唇で塞いだ柊二さん。 「しゅ、っ……」 口を開いた 瞬間を見逃さなかった彼は するりと私の中に入ってきて 唇が重なる軽いキスから深いキスへと変わる。 もう何度も こうして 柊二さんとキスをけれど いつになっても 慣れることなんてなくて 目を瞑り彼に合わせるのが精一杯な私。 次第に頭が ボーっとしてきて うっすらと 目を開ければいつも余裕な彼が 余裕なんてくて切羽詰まったような顔して けれど どこか色っぽい その表情に思わず見惚れて 意識がそちらに集中していると 不意に目を開いた柊二さんと近い距離で視線が絡んだ。 .
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1322人が本棚に入れています
本棚に追加