10

4/10
前へ
/130ページ
次へ
あの頃の トラウマを 克服していなかったら きっと私は先輩からの 告白を泣いて喜んでいたと思う。 本気で先輩のことが好きで 本気で先輩の彼女になりたいと思っていたから…… でも今は…… 「ごめんなさい」 「……」 「私の目には、もう、彼しか見えないんです」 私の全ては 柊二さんで埋め尽くされ 私の五感全てが 彼のぬくもりや声を覚えていて その五感が私が 求めているのはこの人でないと教えてくれた。 「先輩から好きだって言われても、胸の奥があたたかくならないんです。全然、幸せな気持ちになれないんです」 「……」 「……あんなに好きだったのに、今は何も感じないんです。きっと、これが答えなんです」 「……」 「だから」 .
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1339人が本棚に入れています
本棚に追加