11

4/11
前へ
/139ページ
次へ
片手で ハンドルを握り もう片方の手で 私の頭を優しく撫でてくれた。 「どんなこと聞かれたの?」 「柊二さんプライベートでは、どんな感じなの?とか、色々です」 他にも 暇さえあれば 色んな人から質問攻めされて 祝福されないよりはもちろん良いけれど 正直あの質問攻めがしばらく続くのかと思うと気が重い。 「ふぅん。で、ひよはどう答えたの?」 「え?」 「プライベートな俺について、どう答えたの?」 信号が赤になり ハンドルに身体を伏せ 私のことを優しい 眼差しで見つめながらそう聞かれ それだけのことで 胸の鼓動が一気に加速して甘く高鳴った。 「……濁しました。以前も言いましたけど、本当の柊二さんを知ってるのは、彼女である私だけの特権ですから」 「そうだったね」 .
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1357人が本棚に入れています
本棚に追加