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片手で
ハンドルを握り
もう片方の手で
私の頭を優しく撫でてくれた。
「どんなこと聞かれたの?」
「柊二さんプライベートでは、どんな感じなの?とか、色々です」
他にも
暇さえあれば
色んな人から質問攻めされて
祝福されないよりはもちろん良いけれど
正直あの質問攻めがしばらく続くのかと思うと気が重い。
「ふぅん。で、ひよはどう答えたの?」
「え?」
「プライベートな俺について、どう答えたの?」
信号が赤になり
ハンドルに身体を伏せ
私のことを優しい
眼差しで見つめながらそう聞かれ
それだけのことで
胸の鼓動が一気に加速して甘く高鳴った。
「……濁しました。以前も言いましたけど、本当の柊二さんを知ってるのは、彼女である私だけの特権ですから」
「そうだったね」
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