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まっすぐと
私のことを見つめながら
そう言ってくれて柊二さんの
本気の想いが伝わり涙が溢れずにはいられなかった。
「……柊二さんは、それでいいんですか?」
「ん?」
「いつも私のことばかり最優先に考えて、柊二さんは私でいいんですか?」
「さっきも言ったでしょ?俺は今すぐにでも書類を提出してもいいって思えるくらいにひよのことしか見えてないし、ひよ以外考えられないんだよ。今も、これから先も、ね……」
優しく
微笑みながら
私の涙を拭ってくれる
柊二さんの手に自分の手をそっと重ねた。
「でも、もっと夢中にさせて」
「もっと?」
「……今でも、俺の全てはひよでいっぱいだよ。でも、もっともっと俺をキミに夢中にさせて?ひよが言うように、俺をひよで溺れさせて?」
「……っ、頑張ります。」
「頑張らなくても、ひよが隣にいて笑ってくれるだけで、俺はそうなるけどね」
会社では
鬼課長と呼ばれた人。
けれど
私の
目の前にいる彼は
鬼とは無縁の優しい人で
私にだけ甘く優しく愛を囁いてくれる人。
終
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