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「クスッ、わかった?」
「……」
「まあ、ひよがもしも願い事をひとつだけ叶えてくれるなら俺のこと、名前で呼んで欲しいな。」
「名前、ですか?」
「課長って呼ばれると、仕事してるみたいだし他人行儀で寂しいからさ」
「……」
「え、ひ、ひよっ!?」
課長の背中に
自ら腕を回して抱きつき
「……柊二さん」
小さな声で
彼の名前を呼んだ。
「えっと、いきなりどうしたの?」
「願い事……さすがに私の全部はあげれないですけど、これくらいなら叶えてあげられるので……」
恥ずかしさから
今までにないくらいに
ドキドキと音を立て高鳴る胸の鼓動。
でも
私だって
与えられるばかりではなく
与える側になりたくて
私ができる範囲で彼の願いを叶えることにした。
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