9/11

1203人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
「クスッ、わかった?」 「……」 「まあ、ひよがもしも願い事をひとつだけ叶えてくれるなら俺のこと、名前で呼んで欲しいな。」 「名前、ですか?」 「課長って呼ばれると、仕事してるみたいだし他人行儀で寂しいからさ」 「……」 「え、ひ、ひよっ!?」 課長の背中に 自ら腕を回して抱きつき 「……柊二さん」 小さな声で 彼の名前を呼んだ。 「えっと、いきなりどうしたの?」 「願い事……さすがに私の全部はあげれないですけど、これくらいなら叶えてあげられるので……」 恥ずかしさから 今までにないくらいに ドキドキと音を立て高鳴る胸の鼓動。 でも 私だって 与えられるばかりではなく 与える側になりたくて 私ができる範囲で彼の願いを叶えることにした。 .
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1203人が本棚に入れています
本棚に追加