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どくん、どくん……
あれ?
聞こえてくる
私の心臓の音とは別の音……
もしかして……
後ろから
覗き込むように
柊二さんの顔を見れば
私と同じくらいに顔を赤く染めていた。
「……意外です。柊二さんでも、照れたりするんですね」
「当たり前だろ。俺はロボットじゃないんだし、それに好きな子から抱きつかれて名前呼ばれて照れるなって方が無理だよ」
会社では
鬼のような人で
会社を一歩出れば
優しくて私に甘々で笑顔が
似合う柊二さんの初めて見る照れてる表情。
「……可愛い」
「可愛いのは俺じゃなくて、ひよだよ。」
「照れてる柊二さんも、十分可愛いですよ?」
「……たく。俺にそう言うこと言えるのはひよだけだよ」
「でしょうね。私も、会社での柊二さんには口が裂けても言えないですから」
私だけが知っている
他の誰も知らない本当の柊二さん。
なんだろう……
そのことがすごく
特別な感じがして少しだけ優越感を感じた。
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