11/11

1214人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
「ねぇ、ひよ」 「なんですか?」 「ひよから抱きしめられるのは幸せなんだけど、わがまま言ってもいい?」 「……わがまま、ですか?」 「抱きしめられるより、抱きしめたいな」 「っ」 「ひよのこと」 柊二さんの腰に回してる 私の手に 優しくそっと触れながら 猫撫で声で甘えるようにそう聞かれ ダメ、なんて 言えるわけなくて 小さな声でいいですよって答えれば くるりと身体を反転させ私を抱きしめた柊二さん。 久々に 抱きしめられ 肌で感じる人の ぬくもりに思わず涙が溢れそうになった。 過去を 忘れて前に進みたい…… 私のことを優しく包み込むように 愛してくれるこの人と恋がしたいとそう強く思い始めていた。 .
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1214人が本棚に入れています
本棚に追加