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……迂闊だった。
会社から離れているし
まさか会社の人に見られていたとは……
昨日の私は
果てしなくおかしかった。
無理矢理でも
強制でもなく私が自ら望んだことで
柊二さんが
私の身体に残したぬくもりは
今もなお私の身体が
しっかりと覚えていて胸を甘く高鳴らせる。
でも
仮に
私だと気づかれて
噂をされても全然嫌ではなくて
「あ、そうそう。ひより、今日の夜、あいてる?」
「え、今日?」
「予定ないなら、合コン行かない?」
「さ、佐野課長大丈夫ですか?」
「あぁ、気にするな」
不意に
聞こえてきた
柊二さんのことを
呼ぶ声に何気なく彼へと視線を移せば
どうやら手に持っていた
ファイルを床へと落としてしまったようだった。
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