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「……私、戻りますね?」
普段は
柊二さんといると
楽しくて心地よくて
もっと一緒にいたいって思うのに
なぜだか
今は居心地悪くて
柊二さんと一緒にいるのが辛く感じる。
「逃すかよ」
「っ」
「悪いけど、代わりもつなぎもごめんだ。お前のこと他の男に取られるくらいなら」
「え?やっ」
クイッと
顎を持ち上げられ
次の瞬間には
柊二さんと私の唇が重なっていた。
表情も
声も言葉遣いも
すべてが
冷たくてトゲがあるのに
重なった唇と
棚に押さえつけられ
指と指を絡ませ握られた手はあたたかくて
「もう、我慢しない。本気で、お前を俺のモノにする」
足の
力が抜けた私は
ズルズルと
力なくその場へと座り込み
柊二さんは私を残し資料室を後にした。
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