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「望月?」
21時すぎ
フロアに残り
ひとり仕事をしていると
取り引き先から
疲れた顔の柊二さんが会社に戻ってきた。
「お疲れ様です」
「……お疲れ。こんな時間まで仕事か?」
ネクタイを
器用に片手で緩めながら
後ろから私のパソコンを
覗き込みながらそう聞いてきた柊二さん。
「おい!お前、これ別に急ぎの仕事じゃないだろーが!」
「す、すみません!!」
静かな
フロアに響く
柊二さんの怒鳴り声。
「たくっ。こんな時間までそんな無駄なことで残業するなよ。」
「ふふっ」
「なに、笑ってんだよ」
「このやりとり懐かしいなって思って。」
「あ?」
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