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ドンっ。
「あ、すみませ」
「望月、前見て歩け、ってお前……」
運がいいのか悪いのか
私がぶつかった相手は柊二さんだった。
彼を
見た瞬間
ここが会社ってことを
忘れて思わず抱きつきそうになった。
「泣いてるのか?」
「え?あ、そうなんです。それが倉庫に大きな虫がいて、怖くて……」
「……」
「じゃあ、私」
"夕方、仕事が終わり次第駐車場にきて。
大きな虫の話はその時聞くから"
ボロが出る前に
その場を離れようとした瞬間
私の耳元で甘く
囁くようにそう言った柊二さん。
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