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「いいな?望月」
「……わかりました」
「じゃあ、そういうことで。ちゃんと前向いて歩けよ」
ポンっと
私の頭に触れた
柊二さんの手が優しくて
あたたかくて、余計に涙が溢れそうになった。
*
「で、大きな虫のアホ先輩に何された?」
「え?」
「あいつだろ?前にひよが話してた、トラウマの原因を作ったアホ先輩。あと、ひよにあんな顔させてた倉庫にいた大きな虫の正体」
仕事終わりに
やって来た定食屋さんで
柊二さんとふたりで夕食を食べていると
唐突に
そう聞かれて
動揺を隠せない私は
箸で掴んでいたミニトマトを落としてしまった。
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