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「もしかして、ひよりが気になる人がいるって言ってたけど、山根さんのこと?」
「ち、ちがっ」
「へぇ、望月、俺のことまだ好きでいてくれたんだね」
「やっぱりそうなんだ〜!」
「ち、違います!私には、他に付き合ってる人が」
私たちの
会話を聞きつけて
周りに人が
たくさん集まってきて
私を一人置いて話は
どんどん間違った方向へと進んでいく。
忘れてた……
昔から先輩は
言葉巧みに人を誘導していて
気づくと先輩のペースに
乗せられていたなんてことは日常茶飯事で
それが
先輩の強みであり
そんなところが先輩を
好きになったひとつでもあったのに
今はそれがこんなにも
私のことを苦しめることになるなんて思ってなかった。
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