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眉間に シワを寄せたまま ファイルを持ち 部署を出ていく彼の後を追う。 「あ、あの課長!」 「なんだ?」 「えっと、その……」 咄嗟に 彼を追いかけ 引き留めたけれど 私は何を言おうとしていたんだろうか。 間違いなく 柊二さんはあの話を聞いていて 「……え、あっ」 黙ったまま 下を俯く私の手を引き 近くにあった会議室へと押し込められた。 「柊二さ」 「あの、アホ先輩は俺に喧嘩でも売っているのか?」 「え?」 「別に買ってやってもいいが、どうやら吹っ切れてないのはアホ先輩も同じようだな」 .
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