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会社モードの彼は
二人きりになったとはいえ
いつもの
モードではないので
表情を強張らせ
先輩の煽るような態度のせいで
多少なりとも腹を立てているのか口調も荒々しい。
「……吹っ切れてないってことはないと思います。だって、あの時ハッキリとフラれたので」
「鈍すぎ」
「え?」
「人はね、失って気づくんだよ。自分の傍から離れて、その人が自分にとってどれだけ大切な存在なのかを嫌ってほどに思い知らされる……」
「だとしても、今更私の気持ちは揺らいだりしません。私が好きなのは柊二さんですから」
笑顔で
そう言えば
最初こそ驚きの表情を
浮かべていたものの次の瞬間には
私の笑顔に誘われて
柊二さんの表情も穏やかな笑顔へと変わっていた。
「ひよ」
テーブルに腰掛け
私の
名前を囁くように
呼びながら両手を広げた柊二さん。
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