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社内では 鬼課長と呼ばれ 大半の人から恐れられているけれど 見た目は誰もが目を引く容姿な彼は 社外の人や他部署からは注目の的で人気がある。 だから 正直、私も 彼が社を出るたびに 不安だったからこうして 公表できたことは良かったと内心思った。 「あ、そうだ、柊二さん。会社では、今まで通りでいてくださいね?」 「……俺はそのつもりだったからいいけど、でもどうして?普通は特別扱いしてほしいって思うんじゃないの?」 「だって、私だけがいいから……」 「ん?」 「こんなに優しい表情を浮かべる柊二さんを他の誰にも見せたくないから……」 優しい顔も 笑った顔も甘い表情も 全部私だけが 彼女だからこそ知っている特別にしたい。 .
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