普通のオナニーじゃ足りない……

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 俺がシャワーを終えて出てくると高峰がぼーっとテーブルの上のペットボトルを眺めたまま固まっていた。あまりにも動かないから少し心配になる。 「高峰? お前、どうしたん……」 「ああ、いつの間に。ちょっとさっきのこと考えてて」 「おー……」 「自分はさ、前も言ったけど、自分がああいうの好きで自分の萌えるシチュエーションを盛り込みたくて作成側になったんだよ。だから聞いてくれるやつは同好の士ってやつだとずっと思ってて」 「ああ」  唐突に語りだす高峰の隣に座るとペットボトルのお茶を注いで相槌を打つ。 「でも猶木を見てると変な気分になる。もっといじめたくて、反応されるのが……可愛くて……購入者の感想見るのとはなんか違って……」 「お……おぅ」 「止められなかったんだ。自分の暗示を全部素直に聞いちゃうお前見てて……。これは、ダメ、だと思う」  なんだ、これ。ムズムズする。高峰が言ってるのって、まるで……。 「チンコに直接触るのも手の中に出されるのも全然嫌じゃなかっ」 「わーー!!」  高峰のアホォ……。 「で……でも、高峰は俺のこと仲良くないし友達でもねぇって言ってたじゃん」 「初めて話す段階で仲良くないのは当たり前だろ。それに、お前のその他大勢の友達枠に入る気はない」  高峰って馬鹿正直なんだろうな。でも俺も最初からコイツのそんなところが気に入ってた。 「その他大勢じゃなきゃいいってこと? その、つまり、特別な……」 「いや、それは自分でもよくわからない」 「同意。俺もわかんねー。でも少なくとも俺は、高峰のこと嫌いじゃないし、お前がいないとアッチが満足できないようになっちまったし……だから、俺を避けるのとかはマジでやめて?」 「触れても怒らん?」 「う……怒らん」  高峰に触られるのは恥ずかしいだけで嫌じゃないんだよな。他の野郎に触られたんだとしたら……そこまで考えて悪寒がした。無理、だな。 「待て! 俺は高峰にイかされてるけど、お前はどうなん!?」 「なんだよ、急に」 「いや、だって……なんか、性欲処理に使ってるだけ、みたいに思われるのはちょっと……」 「アホか。思い出してオカズにしてるわ、ぼけ」  つまり、催眠にかかった俺に欲情はしてるってことか。それこそ変な気分になるな、ちくしょー。  ほとんどお互いの身体に触れない、特に恋愛感情ってほどの気持ちでもない、でも俺は精神的に高峰に依存? 支配されちゃってて、高峰はそんな俺を可愛いっていう。この関係はいったい何なんだ……。  
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