催眠ってなんだよ?

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 ただ、高峰がどういったものを作っているのかはわかった。何作も作っているってことは、それなりに需要があるんだろうなとか思うし……それなりに売れてるってことなんかなーとか。  こういう趣味と実益をかねてるもんってどうなんだろう。充実してんのかな……羨ましい。 「はよー。高峰、アレ聞いた!」 「あ、うん」 「催眠? は、かからなかったけど面白かった。あんなの作れるのがすげぇ」 「ああいうのはさ、相性があるんだ。スクリプトとか声優とかが変わるとストンとかかる場合がある」 「マジか。でもチンコ触らないでイケる?」  ぶふぉっと高峰が吹き出す。眼鏡のせいでクールなむっつりスケベかと思ってたけど意外とベタな反応だ。 「そういうのでかい声で言うなよ」 「別に男同士の会話だし良くね?」 「そういうんじゃない。作品バレとかしたくないって言ってんの」 「あ、なるほどね。わりぃ。でも知らない世界で面白くてさ。もっといろいろ質問したいんだけど」  眉根を寄せてちょっと難しい表情をした高峰だったけど、「引かないんだな……」とぽつりと呟いた。引くって催眠音声とやらにか? どエロい漫画とかだって普通に見るし、別に引くもんでもないと思うけど。 「作ってる方ってのに引くかなとか思ったんだけど」 「いや、むしろ作ってるってことが興味湧くんじゃん。何言ってんだよ」 「陽キャにはあんまああいうの関係なくない?」 「差別反対! 俺、別に陽キャでもないし彼女いないしエロいこと興味あるし」  ふーんって高峰が腕組みをしたまま俺を見て、そのあと作品のために意見を少し出してくれるなら質問に答えてもいいって言ってくれた。もちろん俺は二つ返事でオーケーする。  さすがに外じゃできないからって高峰の家に行くことになったんだけど楽しみしかない。  ていうかさ、俺のこと仲良くないとか言ってた高峰が俺を自宅に呼んでくれるとかすごくね?    
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