映画

3/5
前へ
/25ページ
次へ
「蒼渚、ほんとに大丈夫?」 「大丈夫だ。姉ちゃん達に鍛えられてきたからな」 「でも、俺の体で押し倒したんだから、かなりの衝撃だったはず。一応病院行くか?」 「行かねぇよ。お前が倒れたのは、床までだが、俺は、ソファーから床までの分の衝撃しか受け止めてない。お前こそ右腕からいってたぞ。大丈夫か?」 「…俺は大丈夫だけど…」 う~… なんで俺、あんな事しちゃったんだ 「とりあえず、何か飲み物でも…」 母さんが、パタパタと台所へ消えてった 「莉玖、さっきの奇行は何だ?」 「うっ…」 「そうだ。何で痛い足で、思いっきり床踏んでたんだ?」 「どういう意味があったんだ?」 聞かないで欲しい 意味なんてねぇよ… 「莉玖、怪我してる足あんな事したら、治るの遅くなるって分かるよな?」 「……はい」 「言うこと聞かない足に、腹でも立ってイラついたか?」 「うっ……その通りです…すいません」 「マジか…」 「ぶあっはっはっはっ!神谷お前、自分の足にイラついて…ぶはっ…自分の足…くっくっくっくっ…ふんっ!つってたぞ?…くっくっ…」 中川… 笑い死ね 「ほんとに馬鹿で、迷惑な息子でごめんなさいね?」 「馬鹿じゃねぇよ!」 母さんが、皆に飲み物を持って来る 「怪我してる足にイラついて、怪我を長引かせる行動取る人は、馬鹿じゃないの?はぁ…そんな馬鹿な理由で下敷きにされたなんて、蒼渚君に申し訳なさ過ぎて…」 「大丈夫です。莉玖の突拍子もない行動は、珍しいものじゃないんで、こんなの朝飯前です」 「さっすが蒼渚君!莉玖を末永く宜しくね?」 「なっ…?!変な挨拶してんじゃねぇよ!」 なんか… 俺が蒼渚んとこに 嫁に行くみたいじゃねぇか! 「おお…神谷、嫁入りか。幸せにな」 「はあ?!黒木!何…」 「いい旦那見付けたな。良かった良かった」 「中川!…っつ~か、蒼渚!黙ってないで、反論しろ!」 「俺は、知っての通り、常に省エネだ。騒ぐのは、莉玖に任せる」 「はあ?!任せるって何だよ!」 って… 元凶の母さん居ねぇし! 「おお…嫁、旦那が任せるそうだぞ?」 「嫁言うな!」 「莉玖だから、りっちゃんかな?嫁」 「りっちゃんなら、幼い頃呼んでたぞ?なぁ?りっちゃん」 「りっちゃん言うな!いつの話だ!」 「莉玖、お母さん、ちょっと出掛けて来るから。皆、ゆっくりしてってね?」 「「「は~い」」」 元凶… 言うだけ言って 退場した… 「んで?ほんとのとこはどうなんだ?りっちゃんと、あ~くん」 「……え?なんで黒木、その呼び方…」 「なんでって、俺達来た時、お互いにそう呼んで、見つめ合って、キスしそうになってたじゃん。な?黒木」 「はあ?!見つめ……キス…」 何言ってんの?! こいつら 「なるほど…そうだったのか」 「なるほど…そうだったのか…じゃねぇよ!何納得してんの?!蒼渚!」 「いや…それで黒木、来た時、持ってた物落としてたんだなと…」 「まあな。友達同士のキスシーン見せられるとこだった」 「んなもん存在しねぇよ!」 「照れんなって。俺達応援するし」 「照れてねぇし!」 絶対こいつら面白がってる 「莉玖、照れてんのか?」 「は?!照れてねぇって!ってか、何で蒼渚、こっち寄ってくんだよ?!」 「りっちゃん照れてんの、可愛いから」 「「おお~~」」 「おお~じゃねぇよ!遊ぶな!」 ん? りっちゃん照れてんの、可愛い… なんか、どっかで聞いた様な… 「りっ…ちゃん…」 あれ? なんだっけ? なんだっけ? なんか… 「ぶっ…!お前…ほんとにして欲しいの?キス」 はっ…! 「んな訳ねぇだろが!」 「いや、俺は笑えないレベルなんですけど」 「俺は笑える~!…くっくっくっ…ぶは~…はっはっはっ!…見た?!神谷の顔!…ひ~~~はっはっはっ…嫁…嫁の顔だったって…」 「嫁の顔って何だよ!」 なんか思い出しそうだったんだけど まあ、いいか こんなんで思い出すなんて、きっと… ろくな事じゃない 「莉玖の頭ん中、どうなってんだろなぁ…」 「それは、こっちのセリフだわ!訳分かんねぇ事すんな!」 「う~ん…ここまでしてもダメとは…」 「何が?!」 怖っ… 何?! 「俺には、お前らの遊びが理解出来ん」 「俺だって理解出来てねぇわ!」 「ひ~~~ひっひっひっ…黒木…今度っ…俺達もやるかっ…くっくっくっ…」 「いや、じゃあお前と絶交だわ」 「絶交!…ひ~~~っ!…くっくっくっ…黒木絶交だって…くっくっくっ…」 中川の頭ん中、どうなってんだろなぁ こりゃ、愛葵がまともに育たなくても仕方ない 間近に、こんな兄が居るんだから 「莉玖、ちょいこっち向け」 「何で?!」 「意識しまくってんじゃねぇよ。三角巾ずれてっから、直すだけだ」 「~~~っ!意識しまくってねぇし!」 「分かったから、早よこっち向け」 仕方なく、蒼渚の方を向くと 「莉玖、よく1日中そんなに騒いでて、疲れねぇよな?」 三角巾の中の腕を調整しながら言ってくる 「騒がせてんのは、誰だよ?」 「俺は、1時間でへたばりそう」 今度は、三角巾の端をほどいて結び直す 「まあ、蒼渚には無理だな。ってか、なんで蒼渚、こういうの出来んの?」 「何でって、別に、元通りにしてるだけだろが。ほんとに倒れた時、痛くしなかったのか?」 「あんまり覚えてない」 「いや、覚えてないじゃなくて、今痛くねぇのか?って」 足は… まあ、こんなもんか 肩… そう言えば そんな風に聞かれたら 「痛いんだな?」 「なんか…そうかもしんない」 「はぁ…おばさん帰って来たら、痛み止め飲ましてもらえ。そして、2度とあんな馬鹿な事はするな」 「うっ……分かった」 俺だって馬鹿な事したって分かってるけど 蒼渚にそんな風に言われると 益々馬鹿な事したって思わされるじゃん だってイラついてたんだもん しゃ~ないじゃん
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加