文化祭準備

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「おお~~!スゲー」 「どう見ても、たこ焼き屋だな」 「可愛い~。タコさん」 「1パックにつき1本、タコさん爪楊枝をお付けしま~す」 「わぁ~!可愛い!」 前夜祭前日 皆、最後の仕上げで 追い込んでるとこもあれば ふらふらと、他のクラスを偵察してる奴も居る うちのクラスは 行灯も本祭の準備もほぼ完成 補修作業程度なので、本祭のスケジュール確認や、リハーサルなんかしている 午後には、ほぼやる事なくなったので 蒼渚と、中川達のクラスに顔を出すと 声を掛ける前に中川が気付いた 「お!来たな?りっちゃん、あ~…んむっ!」 「中川…お前ほんと、凪彩を離すぞ?愛葵に嫌われてもいいのか?」 「んん~~~~っ!」 「だよな?今後一切、その呼び方しないな?」 「んんっ…んんっ…」 「よし」 パッと手を離すと 「ひ…卑怯だぞ!すぐに愛葵と凪彩を出して来やがって!」 「あ?人の嫌がる事で遊んでるお前はどうなんだよ?!」 「なんだ?騒がしいな」 「黒木…俺達の嫁同士が喧嘩だ」 「なっ?!」 なんで、こいつは、自らイジられる様な事を言うんだ?! 「悪いが、俺達はお前達みたいんじゃないんで」 「俺達だって違ぇよ!」 「くっくっくっ…諦めろよ神谷。旦那が認めてんぞ」 「蒼渚!」 「何?りっちゃん」 「~~~~っ!」 何なの!何なの!こいつ! 「俺は!そういう冗談は嫌いだ!」 ふいっと背を向けて歩き出す 「あ…莉玖、待てって」 「知らねぇよ!付いて来んな!」 皆の前でそんな… ~~~~っ! 腹立つ! 「あれ~?神谷、月川は?」 「知らねぇよ!」 「何だ?喧嘩か?」 「…悪い…中井は関係ないのに…怒鳴った」 「俺と秋田は、仲直りさせてくれたのにな?」 「あいつが、ふざけた事ばっか言うから悪いんだ」 「へぇ~?月川、ふざけた事言ったりするんだ」 「?」 ほぼ、ふざけてますけど? 毎日の様にからかっては、笑ってますけど? 「中井には、ふざけてる様に見えないのか?」 「あんまり、沢山話してもいないからな。月川、そんなに喜怒哀楽はっきりしてないし、離れて見てるだけじゃ分かんねぇな」 「そうか。あいつは、俺を、使って毎日楽しんでるんだ」 「使ってって…」 「俺より…クールっちゅうか…考える事が大人だから…すぐに俺をからかって面白がるんだ」 「へぇ~?」 あんな風に 人前で呼ばれたからって 俺が呼ばれたからって どうせ、蒼渚は、何とも思ってない 俺だけが…こんな……… 「…腹立つな」 「じゃあ、ちょっと離れてみたら?」 「離れる?」 「そ。今日学校帰るまで、月川から離れて、俺んとこ居な?」 「……まあ、そうだな。あいつとは、口利きたくないからな」 「よし。じゃあさ、今日限定で、名前で呼び合おう」 「名前?」 「そ。俺は莉玖って呼ぶからさ。神谷も俺の事、真咲(まさき)って呼んでさ」 「……真咲」 「おお。莉玖」 変な感じ 「どうした?」 「…いや…別に…」 「あ、月川以外に、名前で呼ばれんの嫌か?」 「っ!…そんな訳ないだろ?!」 「っそ?じゃあ、今日1日よろしく莉玖」 「おお!真咲」 そりゃ、家族だってそうだ 呼ばれ慣れてなきゃ違和感ある 凪彩にだって、莉玖さんやら、莉玖君やら、莉玖やら しっくり来るまで時間かかったんだから 真咲…真咲…真咲…真咲… 「莉玖、まだ拗ねてんのか?」 たこ焼き屋台の最終チェックを、真咲としてると、普通に蒼渚が話し掛けてきた 「…………」 「無視か。そんな怒る事か?」 「…………」 「莉玖、ちょっと上に1回全部物乗っけてみよう」 「おお」 真咲に言われて、言われた通り、実際に使う物を、どんどん乗せてく 「………へぇ」 え? なんか…蒼渚の声…低っ… 顔見るの…怖っ… あれ? これは… 「真咲、もう乗っかんないぞ?」 「え?どれ…」 どんどん物を渡してた真咲が、屋台の上を見る 「あ~…これは、全部ここに乗っけんのは無理だな」 「な?」 「秋田~!机1つ持って来てくれ!」 「はいは~い!」 秋田が机を持って来てくれる 「サンキュ。後からでもいい物は、こっちに乗せる事にするか」 「ああ…乗っかんないのか。じゃあ、こっちの机も、何か飾り付けしなきゃだな」 「そうだな。けど…とりあえず全部乗っけてから考えよう。莉玖、残り渡すから、とりあえず、どんどん乗っけてくれ」 「おお」 「え?……あれ?…今……え?月川?あれ?どゆこと?」 「…さあな」 横目で見ると そのまま蒼渚は、教室を出て行ったようだ 「え~?何?神谷、月川と喧嘩?」 「……そうかもな」 「え~?せっかくの文化祭なんだし、って俺達の事仲直りさせてくれたの、神谷じゃん?」 「秋田~。いいから、莉玖が並べてった物、出来るだけ、使いやすい配置にしてってくれ」 「え…うん…するけど……中井…莉玖って…」 「気にすんな。今日限定だ」 「……そう」 ……なんか 秋田まで、変な感じにさせてしまった けど… モヤモヤが取れないんだから 蒼渚と今話したら、絶対状況は悪化する そんな事があって 昼休み 「莉玖、一緒に食お?」 「おお」 「え…神谷、ほんとに、時間経たないうちに月川と仲直りした方がいいって」 秋田が言うのも分かる 時間経てば経つ程… 話し掛けにくくなる さっきよりは気持ち落ち着いた感じもするし なんて思ってた時だった 蒼渚が、広瀬と教室に入って来た っ…どうする? 行くか? 行くか? 行… 「蒼渚、何処で食う?」 …………え? 今……蒼渚…って…… 言った?
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