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前夜祭
文化祭の何が盛り上がるって前夜祭
前夜祭やる為に文化祭やってると言っても過言ではない
もう、クラス、学年関係なく
あちこちで記念撮影
「凪彩~……凪彩?!」
「莉玖」
「なっ…なんで…猫耳付けてんの?!」
「猫のバスをイメージした衣装だからって、付けられた」
周りを見ると
女子は大体…
男子もチラホラ…
けど…なんか凪彩はダメじゃね?
「あの~…」
その辺の男子に声を掛ける
「はい?」
「凪彩の猫耳、ヤバくない?」
「ヤバいっす!最高っす!」
「え?いや…」
そっちのヤバいは、ヤバいだろ
「凪彩…嫌じゃないのか?」
「?…嫌じゃないけど、変?」
「いや…全然変じゃなくて、むしろかわい…」
「凪彩~~!」
「愛葵…びっくりした」
もう1匹の猫耳男子が
凪彩に飛び付いて来た
「俺から離れちゃダメだよ!今日人多いんだから!」
「ごめん」
いや、いいよ
離れてくれよ
「あ、莉玖。俺と凪彩の写真撮って?」
こいつは…
この世間知らずのブラコン弟は!
「あ…」
「愛葵~~!」
「継翔~~!」
中川が居ないとこで
ちょっと、先輩への礼儀というものを教えてやろうとしたら
それを育ててきた本人が来てしまった
「はぁ~…蒼渚…もう愛葵込みでもいいから、撮ってくれ」
「愛葵込みってか…中川と黒木も入るが?」
「もう、凪彩と俺が映ってれば、何でもいい」
中川は、愛葵の姿を恥ずかし気もなく、べた褒めし
こっちが、恥ずかしくなってきた
「凪彩、大いに楽しめよ?」
「うん!もう楽しい!」
「ふっ…そっか」
「莉玖……愛葵、ちょっとだけ、待ってて?」
「え~~?!凪彩…」
「愛葵~、兄ちゃんが居るぞ~?」
「継翔♪︎」
いつ見ても危ない兄弟だ
凪彩が、愛葵から離れて俺を引っ張る
「どうした?」
「ほんとに…変じゃない?」
「……は?」
「今日…母さんも見に来るから…」
少し恥ずかしそうに、そう言う
母さんに見られるのに
あの、オバハンに見られるのに
変かどうか気にしてんの?!
超~~かわいくね?
「変じゃない。クラスん中で、凪彩が1番可愛い」
ポンっと頭に手を乗せる
正確には、耳と耳の間に
「1番じゃないけど、変じゃないなら良かった。愛葵の兄ちゃん、凄く褒めてたけど、莉玖は…なんかヤバいって言ってたから」
「あっ!それは…ダメって意味のヤバいじゃなくて…」
「凪彩、莉玖は、兄にも関わらず、凪彩が可愛い過ぎて、ヤバいらしいぞ?」
「蒼渚!余計な事言うな!」
「ほんと?」
「え?」
凪彩が、真面目な顔で、心配そうに見上げてくる
そうだ…
凪彩にとっては、初めてちゃんと、親に見てもらえるから…
「ほんとだ。凪彩、すげぇ可愛いよ。絶対母さん喜ぶ」
「~っうんっ!莉玖と蒼渚さんは…なんかのユニフォーム?」
「そ。バスケ漫画のね。監督の顔が行灯だ」
「……監督の顔…」
漫画知らなかったら謎だよな
誰?あのオッサンだよな?
「凪彩!もういいでしょ?!」
「あ…うん」
お前は、凪彩の彼女かよ!
これじゃ、凪彩に誰も寄り付けないんじゃ…
「お~い!鳴宮~!中川~!皆で写真撮るぞ~」
「分かった~!莉玖、行くね?」
「おお」
ちゃんと呼んでくれた
高瀬君じゃなくても
ちゃんと気にしてくれてる
「蒼渚、行こ」
「おお。可愛いニャンコ2匹だったな?」
「な!な!俺達の弟可愛いよなぁ~~」
愛葵とハグをして別れてきた中川と、黒木が合流する
「お前の可愛いがり方は異常だ。一緒にすんな」
「何で?神谷、凪彩ニャンコ可愛いくなかったのか?」
「凪彩ニャンコ言うな!可愛いかったけど、お前が思う可愛いとはちがうんだよ!」
「ふ~ん?でも、愛葵が喜ぶなら、俺はいいもんね~」
あっそ
勝手にやってくれ
俺達兄弟を巻き込まない所で
「神谷も、なかなか可愛いがってたじゃねぇか」
「は?!」
「そうだよな?莉玖、クラスの中で1番可愛いニャンコだって言ってたしな?」
「言ってねぇよ!ニャンコだなんて言ってねぇよ!」
「クラスで1番可愛いんだから、ニャンコの中でも1番だろが」
「なっ…?!はっ?!意味分かんねぇし」
1番は1番だが
ニャンコの事は考えてねぇぞ!
「へぇ~?神谷、立派なブラコンだな」
「はっ?!」
「待て!1番ニャンコは、愛葵だぞ?!凪彩は2番ニャンコにしてやってもいいが?」
「はっ?!なんで凪彩が2番なんだよ?!」
「そりゃ、愛葵が1番ニャンコだからな?」
「それは、中川が思う順位だろが!俺の中では、凪彩が1番ニャンコだ!」
………あっ
しまった…
「やっぱり、1番ニャンコなんだな?莉玖」
「いやっ…今のは違っ…」
「どんどん中川化してくな?」
「そうだな」
「違うんだ!」
「神谷の中でなら、俺は文句ねぇぞ?俺の中で、愛葵は常に1位なのだから♪︎」
やだ…
こんなんと一緒にされたくない
「蒼渚…信じてくれ…俺は…」
「莉玖、認めろ。お前の中川化は、止められない」
「嫌だ!ああは、なりたくない!」
「でも、凪彩、嬉しそうだったぞ?」
凪彩が喜ぶなら
まあ、いっか…
「愛葵が喜ぶなら、俺はいいもんね~」
あ…
俺は…もうだいぶ…
中川化が進んでるらしい
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