光と影

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 週末は見事に晴れ渡っていた。  父さんの車に家族が乗り込み、助手席には翔兄さん、後部座席には俊兄さんと私が並んで座っていた。  誰が一番大きいのを釣るかとか、過去の成績を自慢し合いながら、みんな楽しい1日が始まるものと思っていた。  片側一車線の狭い道で、父さんが運転しながら突然胸を押さえ、苦しみ始めた。  翔兄さんは瞬時に察知し、助手席から身を乗り出してハンドルを握り、左側に車を寄せながらチェンジレバーを操作してギアを落とし停車させた。車はガクンと揺れながらも路肩に止まり、翔兄さんはすぐにハザードランプを点けて、トランクを開けて、車から飛び降りた。 「俊、三角板を出して車の後方に置いて! 彩はすぐ救急車を呼んで」  翔兄さんが力強く指示を出す。  翔兄さんは運転席のドアを開け、ぐったりとした父を引き出し、車の前に寝かせた。  俊兄さんは躊躇なくトランクに駆け寄り、三角板を取り出して車の後方に置いた。さらに、助手席にあった懐中電灯を手に取り、赤くチカチカ光るようにしてそれを振り、他の車に危険を知らせた。  私は急いで携帯電話を取り出し、震える手で119を押した。 「父が胸を押さえて苦しんでいます。今すぐ救急車をお願いします」  緊張で震える声で伝えた。
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