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彼の重みを感じながらうっとりしていると、お腹に腕を回されて、ベッドに胡座をかいた彼の膝に乗せられた。後ろから両手で胸を覆われて、指先でゆっくり揉みしだかれる。試すような焦れったい動きに、私の体に残っていた火種がすぐに燃え始めた。彼と密着しているので、硬く勃ち上がった部分が私の腰の辺りに押し付けられている。その熱を持った部分がこれから私を貫くのかと思うと、ぶるっと身震いが出た。
「俺のが挿入った時のこと、考えたな」
ケイはからかうように言葉で苛めてくる。
「やっ、意地悪…」
「俺だって、早くおまえの中に入りたい」
「待っ…、でも、怖い…」
「大丈夫だ。俺の言う通りにしろ。ほら、おいで」
「あ、ん…んっ」
軽々と私の腰を抱き上げると、ケイは私を自分にゆっくり沈めていった。
「力、抜けよ」
「ん…」
私は言われた通りに、彼に体を委ねた。
彼に慣らされたせいで痛みはなく、突き進む彼の動きが愛おしいくらいだが、一度達して狭くなったところを、こじ開けるように彼が挿入ってくる。初めてなのに、私はぐずぐずと蕩けるように彼を飲み込んでいく。
「あ、ん…っ」
「熱い…、おまえのナカ、溶けそうだ」
ケイもまんざらでもなさそうで、私の奥までたどり着くと深いため息をついた。ケイとひとつになれた嬉しさがこみ上げてくる。
「少しこのままでいろ。今動いたら、俺がヤバい」
余裕のない彼が耳元で囁いて、不意に泣きたくなった。
「ケイ…」
「…どうした。泣いてるのか」
「ん。嬉しくて…。ケイが私を欲しいと思ってくれてるのが」
ケイが後ろから私を抱きしめた。
「さっきのおねだりと言い、俺をこれ以上困らせるなよ。ただでさえおまえのナカが思ってたよりもよくて、保ちそうにないんだからな」
「…私、Ωでよかった。ケイに会えて、ホントによかった」
ケイは私の頬を自分の方へ向かせて、唇を食むようにキスをした。それから私の涙を指で拭ってから微笑んだ。
「確かに、自分の性を肯定するのはいいことだが、おまえがΩじゃなくても『花梨』でいる限り、俺は絶対におまえを見つけ出していたぞ」
「私が、私で…?」
「言っただろ。『おまえが欲しい』って。俺はしつこいんだ、覚悟しろよ」
ケイは私の腰を両手で掴んで、ゆっくり揺らし始めた。彼と触れてる部分が擦られて、快感が駆け上がってくる。
「あっ…、ケイ…っ」
「花梨…。すごく、いい…」
肩越しにケイが唇を這わせてくる。腰を使い続ける一方で首筋を舐め上げる。ちくっと小さな痛みが私を一瞬だけ捉えた。
今の なに?
ややあってまたちくっと来た。
ああそうか 噛まれるんだ…
ヒート中のセックスでαがΩの項に歯を立てる。それが番成立の証だった。ようやく彼のものになれるとわかって、また幸せな気持ちがあふれてくる。
番にはなれないって 言ってたのに…
私は体の力を抜くと、右手で彼の後頭部を抱えて自分に引き寄せた。それを待っていたかのように、ケイが私をベッドに押し倒した。手と膝をつき、お尻を突き出したような格好で彼と繋がったまま、私は彼の繰り返す動きに揺さぶられた。シーツを掴む指に力がこもる。何かに掴まっていないと体ごと持っていかれそうだ。
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