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バタバタした1週間が過ぎ、僕はルナの事を考えた。
学費はどれくらいかかるんだろう?とか、この頃ちょっとイライラしてるな…とか。
今日は珍しく休みで、ルナは出かけているので、夕方まではのんびり出来る。
それに、少し太くなったような気もするが、言ったら怒りそうだから止めよう…。
「ピンポーン」
夕方少し前に、インターホンがなる。以外に早く帰ってきた。
扉を開けると、笑顔のルナがたっていて、「ただいまぁ」と、今まで聞いたことの無いような声で言う。
「なんかいい事あった?」
「まぁね!後で話すよ!」
「と、とりあえず中入ろう」
「うん!」
ルナを中に入れ、玄関の扉を閉めた。ルナは、手に何かさげていたが、聞かない事にした。
「ねぇせいちゃん…」
「ん?」
「ちょっとだけ、隣の部屋にいてくれない?」
「あ、まぁ良いけど?」
「じゃあ、呼んだらきて?」
「わかった」
僕は隣の部屋(寝室)のベッドに座って待つ事にした。
「せいちゃーん!」
少しして、ルナの呼ぶ声がした。
「もう良いのか?」
「うん!良いよー」
言われて扉を開けると、向かい側にルナがテーブルの椅子に座って、ニコニコしている。
そしてテーブルには、大きめの箱と、小さい箱が、一つ置かれていた。
「せいちゃん座って」
「あ、うん」
僕はルナの前の椅子に座った。
「この箱は?」
「開けてからのお楽しみ!あ、小さい方から開けて?」
「あ、うん」
何かの記念日だったかな?と思いながら、小さい箱を開ける。
「これは…?」
なんかには、体温計みたいなものと、白黒の写真が入っていた。
「見て分からない?」
「うん…分からない…」
「体温計みたいなのは、検査薬で…写真はエコー写真よ」
検査薬??も…もしかして妊娠検査薬?エコー写真って事は…
「もしかして、ルナ…妊娠したのか?」
「うん…せいちゃんとの…ね!」
言われて思い出した、そういう行為を帰省する前に、避妊無しでしたことを…
「嬉しくない?」
「嬉しいさ!だけど…」
親父の事もあるし、それに勉強はどうするんだ?それに大学も…。
「分かってる!お父さんの事と、大学の事でしょ!?」
「そう」
「私もそうだった…でも、私はせいちゃんの子産みたいの!」
「産むなとは言って無い…複雑なんだよ…」
「分かるよ!」
そう言ってルナは立ち上がり、僕の後ろへ周って僕を後ろから抱きしめた。
「大学も、ちゃんと考えがあるから…」
「うん…じゃないと、産みたいけどどうしよう?ってなるもんな?」
「うん」
「わかった!素直に喜ぶよ!」
「うん!」
ルナは僕から離れ、元いた場所に戻って椅子に座り直す。
「もう一つの箱は?」
「開けてみて?」
言われてすぐ開ける。
「ケーキ?」
「うん!せいちゃんもケーキ好きでしょ?」
「好きだよ」
「私の妊娠のお祝いのケーキ!」
「なるほどね…」
「うん!たべよ?」
「OK!」
こうして僕とルナは、一緒に食事して、愛し合って、夜が更けていき、朝を迎えた。
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