始まり

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家に帰ってすぐ、またお袋から電話がかかって来た。 すぐに手術したらしく、まだ真っ最中だと言うことだ。 「…」 「せいちゃんどうしたの?」 「いや、何でもない…」 「なんでもなくないよ…顔見たらわかる」 「…」 何をどう言えばいいか分からない。昔から思った事を言葉にするのが苦手なのだ。 「なんて言ったら良いんだろ…自分でもよく分からないんだ」 「そう…せいちゃん昔からそうだよね?あ、変な意味じゃ無いからね?」 「分かってるよ」 「うん…ご飯どうする?」 「食欲無いから先に風呂行ってくるよ」 「わかった」 僕はリビングから寝室へ向かい、着替えを持って風呂場に向かう。 湯船には浸からず、頭と体を洗い、すぐに出て着替えた。 「ルナ、先に寝ても良いかな?」 「良いよ!後から私も行くから」 「うん…ありがとう」 そのまま寝室で寝ることにした。 夜中…ルナの気配で目を覚ます。薄暗くて分かりづらいが、ネグリジェのようなものを着たルナが、ゆっくりと布団の中に入って来た。 「起こしちゃった?」 「大丈夫」 「ねぇ…ダメ?」 「何が?」 「私がこんな格好してダメ?って聞いたら普通分かるでしょ?」 「…」 彼女が何を言いたいのかは分かっていたが、分からないふりをした…そんな気分じゃ無い。 「気分じゃないんだ…!?」 言い終わる前に、彼女が俺を無理やり仰向けにして、口を口で塞いできた。 「ん…ぐ…」 「ん…ぷはっ」 ようやく口を離した彼女は、妖艶な笑みを浮かべている。 「最近相手にしてくれなかったせいちゃんが悪いんだからね?」 「だからって…今日か?」 「うん…もう私はその気だからね?」 そう言って、ルナはまた口付けする。 「はぁ…わかった…好きにしなよ?」 「ふふ…ありがとう」 僕は、ルナにされるがまま夜を過ごした。
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