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「ねぇせいちゃん、何食べる?」
家に着くなり私は、せいちゃんに投げかけた。
「そう…だな…」
冷蔵庫を覗きながら彼は言う。
「肉…あと野菜…」
「わかった!任せて!」
いつまでもクヨクヨしてられない!腕まくりして、冷蔵庫を物色し、豚肉の生姜焼きとシーザーサラダを作る事にした。
と言っても、シーザーサラダは、専用のドレッシングがあったので簡単なのだが…。
「問題は、豚肉さんね…」
せいちゃんの好みは熟知しているが、豚肉はちゃんと火を通さないと危険である。
せいちゃんの肉の好みはレア…しかし、豚肉のレアは危ないので、そこは我慢して貰わないと行けない。
あれこれ考えながら調理しながら数十分…何とか豚肉の生姜焼きと、シーザーサラダを完成させた。
「美味そう…」
今にも、ヨダレを垂らしそうな言い方をするせいちゃん。
「でしょ!今まで作った中で、最高傑作よ!」
彼に微笑みながら言う。
「じゃあ…頂きます!」
「頂きます!」
私の後に続いて、せいちゃんが手を合わせて言う。
「…どう?」
「…う」
「う?」
「美味い!!」
「ふふ…良かった!」
美味しそうに食べるせいちゃんをみながら、私も食べる事にした。
そんなにかからず、せいちゃんは食事を平らげた。相当お腹空いていたのだろう。
「お風呂どうする?」
「僕がお湯入れてくるよ」
「お願い」
せいちゃんの実家なのだ、湯船にお湯を張った事はあるだろう。
「お父さん…善くなるといいなぁ…」
ボソッと呟いてみた。
しかし、呟いてみてもお父さんが善くなる訳が無く、私は「はぁっ」とため息をついた。
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