3人が本棚に入れています
本棚に追加
珠江さんは、日付が変わる少し前に帰ってきた。顔を見ると、青白くなっていた…手術後ずっと付きっきりならそうなるだろう。
「珠江さん!お帰りなさい!」
「ルナちゃん...ただいま...」
「かなり疲れてますね?」
「そお?」
「はい!顔に出てます」
「あらやだ...」
「明日はお休みですか?」
「えぇ...」
「じゃあ、お父さんの事は私達に任せてください!」
「...わかったわ!お言葉に甘えます」
「はい!」
珠江さんは、のそのそとリビングへ向かい、真ん中に置いてあるテーブルに荷物を置き、「ふうっ」とため息を付いて椅子に座る。
「ルナちゃん...」
「はい?」
「ううん...なんでもないわ...」
「どうしたんですか?珠江さんらしくないですよ?」
「言おうと思ったんだけど、まだその時じゃない...と思って...」
「??」
私は、訳がわからず首を傾げる。
「良いのよ...気にしないで頂戴...」
「はあ...」
そんな事言われても、余計気になるのが人間である...今はしつこく聞かない方が良いのだろう。
「誠一郎は?」
「せいちゃんなら先に寝ましたよ」
「あら?じゃあ待っててくれたの?」
「はい」
「あらまぁ...ふふ...良いお嫁さんになるわね」
「も...もぅ!からかわないでくださいよぅ!」
「ふふ...もう遅いわ!あの人の所に行ってくれるなら、もう寝ないと!」
「あ、はい!そうします!」
そう言って、二階へ上がる階段を登り、部屋の手前で服を脱ぎ、ネグリジェ姿になってせいちゃんの部屋にゆっくりと入って行った。
最初のコメントを投稿しよう!